第422回「鉄塔下の道」

あぁ! 田んぼ!!

かっこいー! 宇宙さんの鉄塔シリーズ! いや、久しぶりですねー。彼は、ずっと鉄塔ラブなんですね。
うん。彼は今も休日には家族で鉄塔巡りをしていて、時々鉄塔を背景にした宇宙さんの画像が送られてきたりする。それを見ると、なぜかぼくも旅している気分になる。鉄塔って、そんな気分にさせる構造物だよね。
私も、新幹線の窓から田んぼや山に鉄塔が並ぶ風景を見ると、ちょっと郷愁にかられるんですよね。不思議。ところで、今回の鉄塔はどういう状況なんでしょう? すごくいいとは思ったんですが、周りのウニョウニョが謎だなって。
これは稲刈りをした後の田んぼで、白く塗りつぶされたラインは田んぼの中の道。
あぁ! 田んぼ!!
そんな背景の上に鉄塔が寝転がっているように描かれているんだけれど、こんな構図はあり得ない。でもすんなり入ってくる。描く視点で見ると、鉄塔はまっすぐ立っていて、田んぼは上空からの視点で描かれている。
ほぇ〜。私は全く違和感を感じませんでしたけど、言われてみるとそうなっているような気もいたします。
「なぜこんな風に描いているの?」ってお母さんに聞いたら、最近家族で気球に乗りに行くことが何回かあって、宇宙さんはゴンドラから見える風景に魅せられているらしい。「なるほどね」って思った。
だから田んぼが上からの風景?
そう。鉄塔は小さな頃から描いている、空に向かってスクッと伸びる形で、背景はゴンドラから見下ろした田んぼなんだ。そう思ってもう一度この絵を見ると、どんな感じがする?
私はやっぱり、鉄塔も含めて上空から見ている風景に見えますね〜。でも、すごくいい! 見渡す限りの田んぼの中に、堂々と立つ鉄塔。こんな場所で深呼吸したら、ばっちりエネルギー補給できそうじゃないですか。
2017.11.10(fri)




よこはちは、名もない女性編集者。障がいを越えて表現を楽しむアートスペース「フェースofワンダー」の仲間たちの作品に惹かれ、主宰者のまねきねこさんに「くすくすミュージアム」で絵を紹介しないかと持ちかけました。
まねきねこさんは、「フェースofワンダー」で個性に合わせた素材、道具、画法開発を大切に考えた活動を展開するかたわら、「指導者養成講座」にも取り組んでいる人物です。 主著に『アートびっくり箱』(学研)、『続アートびっくり箱』(学研)、『ねっこのルーティ』(パロル舎)、『ねっこのルーティ(電子書籍版)』(BowBooks)など。









修正ペン/540×390mm




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