第345回「小学国語辞典」

こんな感じになるなる!

春生さん得意の超写実主義(スーパーリアリズム)系の絵ですね。箱に入った厚い辞典に注目! 形や印刷された文字にこだわって、それをありのままに写そうとしている感じがするね。
まねきねこさんは、この絵の外箱より中身に着目してるんですね。
だってほら、ケースに入った辞典本体の背表紙の使い古したゆがみ、そこに印刷された文字までもが波打っている。これに着目して、それをしっかり意識して克明に写し取っていこうとするのが、彼のすごいところだよ。
確かに。辞書って、使っていくとだんだんヨレヨレになって、こんな感じの背表紙になりますよね。そう言われてみるとすごいなぁ。外箱の内側も、それっぽさが出てますね。こんな感じになるなる!
外箱も、小熊が木の枝に乗っている模様を、箱の上面と側面が直角になるように描き込んでいる。でも、色の塗り方はスーパーリアリズムとしては、ちょっと不満。
あっ、不満なんですか? 道理で、中身のことばっかり言ってると思いましたよ。
厳しいかもしれないけれど、木の幹とか熊の色なんかもいかにも色鉛筆で塗りましたって感。多分、この辞典の表面はコーティングされてピカピカしているはずなんだけれど、その質感も出ていない。
あら、まぁ。
本来、彼はそのピカピカ感も表現してしまう人のはずなんだ。なぜこんな中途半端な感じで終わらせたんだろう。ぼくが締切期限のようなものを伝えてしまったのかも。そうだとすると、申し訳ない気がするなぁ(笑)
単純な私は、全体的にそっくりですごいと思っていたんですが、確かによく見ると、中身と外箱ではリアリズム具合が違うかもしれませんね。春生さんの本気の外箱、見てみたかったなぁ。
それにしてもこんな小学国語辞典を、ぼくも持っていた気がするなぁ。50年以上も前のことだから、もちろんチャレンジなんてしゃれた言葉はなかったけれどね。
そうなんですか? 私はずっと新明解の国語辞典を愛用しておりました。とにかく、春生さん、次に期待してます! まねきねこさんは、もう締切を決めないでくださいねー。
2016.03.25(fri)




よこはちは、名もない女性編集者。障がいを越えて表現を楽しむアートスペース「フェースofワンダー」の仲間たちの作品に惹かれ、主宰者のまねきねこさんに「くすくすミュージアム」で絵を紹介しないかと持ちかけました。
まねきねこさんは、「フェースofワンダー」で個性に合わせた素材、道具、画法開発を大切に考えた活動を展開するかたわら、「指導者養成講座」にも取り組んでいる人物です。 主著に『アートびっくり箱』(学研)、『続アートびっくり箱』(学研)、『ねっこのルーティ』(パロル舎)、『ねっこのルーティ(電子書籍版)』(BowBooks)など。









アクリル絵の具/色鉛筆/335×240mm




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