第321回「JAZZ」

やっぱりめんどくさがりの
モリヤマくんだー!

今回は久しぶりにモリヤマくんの絵、2点。2 点あると絵の雰囲気が出るね。彼と言えば、コーラなんだけれど、もうコーラには執着していない。ま、おまけみたいに左の絵の右上に小さく描かれているけれど、どうでもいい感じ(笑)
ちょっとこの絵、同じ人が描いたとは思えないほど、差がありませんか? 何と言うか、左は力が入っているけれど、右は力が抜けてる(手を抜いている……)? いや、どっちもカッコいいんですけどね!
2点は連作。左のトランぺッターの絵を先に描いて、右のチェロの絵を、少し後に描いた。最初の方は、結構時間をかけている。
なるほど、左は先に描いたんですね! 先に描いた方が力が入っちゃうって、あるある!
まんまるい顔、一直線の目、三角形の手、指、赤いトランペット……。コーラの形をシンプルなデザインで描いてきた、彼の特徴が出てる。
この糸目、笑っちゃう。色もいろいろ使ってポップに仕上がってますね。左に比べると右の絵は、いやー、シックですね。
グッと太く一気に描いている。ずいぶん洗練されてきていて、格好いいよね。チェロにはピンクの線が入っていて、斬新! とてもいいよねぇ。
チャチャチャっと描いたこのスピード感が、すばらしい方向に転んだというか……。ところで、この絵ってやっぱり写真とかを見て描いているんですか?
そう。今回は『スウィングジャズ』の写真を見て描いた。厚い雑誌をパラパラとめくって描きたい写真を選んでいくんだけど、彼ははなから選ぶ気なんてない。「勝手に選んで」って感じで、こちら任せ。
あらっ、絵の大人っぽさからは想像できない、いつも通りのモリヤマくん(笑)
ふふ。それで、何点かの写真をぼくが選んで、その中から彼が選ぶ。それがこの二点。彼なりに描きやすいものを選んでいる気がするな(笑)
あー、やっぱりめんどくさがりのモリヤマくんだー! 変わらずにいてくれて、何か嬉しい。
そうだね。彼は今も、あのくるくるした目を見開いて、どんな風にこちらをからかおうか考えているよ。
2015.10.02(fri)




よこはちは、名もない女性編集者。障がいを越えて表現を楽しむアートスペース「フェースofワンダー」の仲間たちの作品に惹かれ、主宰者のまねきねこさんに「くすくすミュージアム」で絵を紹介しないかと持ちかけました。
まねきねこさんは、「フェースofワンダー」で個性に合わせた素材、道具、画法開発を大切に考えた活動を展開するかたわら、「指導者養成講座」にも取り組んでいる人物です。 主著に『アートびっくり箱』(学研)、『続アートびっくり箱』(学研)、『ねっこのルーティ』(パロル舎)、『ねっこのルーティ(電子書籍版)』(BowBooks)など。




アクリル絵の具/水性色鉛筆/370×260mm、380×460mm




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