第298回「カラフルカエル」

こんなにも豊かな色彩感覚を持っている。

あいさんの絵を見ていると、世界は色彩でできているっていうことを教えられる気がする。水がこんな風にオレンジ色や朱、黄色で表現されると、ぼくはゴーギャンのタヒチシリーズの色彩を思っちゃうね。青いウマやピンクの砂浜…。
ゴーギャンのタヒチシリーズに登場する女の人を、カエルに置き換えた感じですね。
あいさんは、こんなにも豊かな色彩感覚を持っているんだってことに驚かされるね。
私は、この空が好きです。まだ夜がはじまったばかりなのか、だいぶ更けた頃なのか、もうすぐ朝が来るのか、全然わからない不思議な色の空。森が空を覆っているようにも見えますね。森の隙間から、月が顔を出してる。
それぞれの色彩がそれぞれの動きをして、夜の時間が流れている感じだ。
カエルの隣にいるオタマジャクシも素敵ですね。泳ぎ方が何だか優雅。つぶらな瞳がたまらない。
水色と青紫、これも生まれたての無邪気な生命って感じで、水中の豊かな世界を想像させる。
カエルの右隣にあるのは、何かな? ヤシの実かな。そうすると、ますますゴーギャンですね。
水面に浮かんだボートは、アランジのランプのような灯りをともしている。船尾には取っ手のようなものがついていて、オモチャのような船。
船だけど、水面にとどまっているみたい。カエルの親子を優しく照らしているのかな。
2015.06.30(tue)




よこはちは、名もない女性編集者。障がいを越えて表現を楽しむアートスペース「フェースofワンダー」の仲間たちの作品に惹かれ、主宰者のまねきねこさんに「くすくすミュージアム」で絵を紹介しないかと持ちかけました。
まねきねこさんは、「フェースofワンダー」で個性に合わせた素材、道具、画法開発を大切に考えた活動を展開するかたわら、「指導者養成講座」にも取り組んでいる人物です。 主著に『アートびっくり箱』(学研)、『続アートびっくり箱』(学研)、『ねっこのルーティ』(パロル舎)、『ねっこのルーティ(電子書籍版)』(BowBooks)など。




水性色鉛筆/水性絵の具/265×370mm




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