第295回「仕方がないから描いてあげよう!」
最初は、モジモジ。
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この頃のぼくの頭は、夏毛にしたばかりで、刈り上げた坊主頭に近い(頭頂部3mm)。黒いシャツ姿で、ぼくの特徴がよく出ている。 |
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うん。ワークショップの依頼が来た団体から、「チラシに使う似顔絵があったら送ってください」って言われて、誰に描いてもらおうか考えていたんだけれど、彼女のくしゃくしゃの絵を見ていたら、いいなぁって思って頼んだんだよ。 |
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最初は、モジモジ。下を向いて「んー、どうしようかなぁ」。そばにいたお母さんが、「描いてあげようよ。ゆりちゃんの絵が好きなんだって」って口添えしてくれた。 |
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すると、がばっと顔をあげ「仕方ないなぁ、描いてあげる!」って、くりくりした目を輝かせて描いてくれた。まさに、ゆりさんのくしゃくしゃタッチの絵。短い針金をつなぎ合わせたような線で、ためらいなくグイグイ描いている。 |
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鼻息の荒そうな鼻の穴や、三白眼気味の目も「あぁ、ぼくだなぁ」って思う(笑)。仕方ないなぁってわりには、丁寧に描いてくれてるね。色鉛筆で色をつけているのは、お母さんが「色もつけてあげようよ」って言ってくれたから。 |
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よこはちは、名もない女性編集者。障がいを越えて表現を楽しむアートスペース「フェースofワンダー」の仲間たちの作品に惹かれ、主宰者のまねきねこさんに「くすくすミュージアム」で絵を紹介しないかと持ちかけました。
まねきねこさんは、「フェースofワンダー」で個性に合わせた素材、道具、画法開発を大切に考えた活動を展開するかたわら、「指導者養成講座」にも取り組んでいる人物です。
主著に『アートびっくり箱』(学研)、『続アートびっくり箱』(学研)、『ねっこのルーティ』(パロル舎)、『ねっこのルーティ(電子書籍版)』(BowBooks)など。

