第70回「シンプルアニマルズ」

こんなにシンプルに生きられたらいいなぁ。

りおちゃんの絵は、いつ見ても穏やかな気持ちになります。
これ以上ないくらいシンプルな絵だよね。細かな部分にとらわれていないから、それだけで癒されるような気がする。
ああ、こんな風にシンプルに生きられたらいいのになって思います。心がきれいなんだろうなぁ。
活動室に来ると、動物の絵を描くんだって了解しているところがあって、差し出された動物カードをパッと見て、「ああ、きりんね。いいわよ」って感じで、サラサラサラっと描いていく。
へー、何かカッコいい。芸能人がサインを書くみたいな雰囲気が頭に浮かんできました。
ふふっ。カードは結構リアルな絵だけど、そんなものは気にしない。チラッと見た情報を、そのまま線や色にしている感じ。ほら、キリンなんて長い首がどこにもないよ(笑)
あらほんと!
でも、ためらいのないきれいな曲線と水玉模様からキリンの優美さや優しさが伝わってくる。んー、見ればみるほど面白いね。顔と体と脚のパーツにわかれて描かれている。
確サイも同じですね。このサイのサイらしさったらスゴイなぁ。こんなにシンプルなのにどうして? って不思議になっちゃう。
ぼくも、この絵を見て「へー、サイの顔ってこんな形をしてるんだ」って教えられたよ。鼻の前にある角が可愛いね。
あ、そうか! これ角かぁ。私、何だと思ってたんだろう(笑)
一番感動するのは、何たってこの目だね。小さな黒い目。濁りがなくて、まっすぐ世界を見てる気がする。こんな絵を見てると、世の中にはまだ希望があるなぁって思うんだよ。
2013.03.15(fri)




よこはちは、名もない女性編集者。障がいを越えて表現を楽しむアートスペース「フェースofワンダー」の仲間たちの作品に惹かれ、主宰者のまねきねこさんに「くすくすミュージアム」で絵を紹介しないかと持ちかけました。
まねきねこさんは、「フェースofワンダー」で個性に合わせた素材、道具、画法開発を大切に考えた活動を展開するかたわら、「指導者養成講座」にも取り組んでいる人物です。 主著に『アートびっくり箱』(学研)、『続アートびっくり箱』(学研)、『ねっこのルーティ』(パロル舎)、『ねっこのルーティ(電子書籍版)』(BowBooks)など。




水性色鉛筆/125×180mm




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