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くすくすミュージアムは、
しばらくお休みをさせていただきます。
再開予定は今のところ未定ですが、
いつの日か再開させていただきたいと思っております。
そのときにはまた、ご愛読よろしくお願いいたします。
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第428回「頬づえ」

かっこつけないかっこよさ!

かっこいい絵! この女の人のポーズが際立ってますね〜。
としきさんの特徴、セールスポイントはフォルムの面白さなんだと思う。この絵だと頬づえをついている女性の左腕は上に異様なほど伸びていて、右腕は細くて棒のように下がっている。そして画面全体を斜めに区切っている黒い体。
キマりすぎてる!
これってなかなか頭では考えられない大胆な構図だよ。グラビア写真をもとに描いているけれど、こんな構図なわけじゃない。やはり彼の独特な描き方によるものだろうね。
「こんなフォルムにしたいな」とか思って描いているわけじゃないんですか?
彼はこの絵を左下の女性の腰あたりから描き始め、そこから上方に描いていっている。これが彼流のダイナミックな構図を作り出すんだね。ほとんど無意識。何を描こうって考えない彼のセンス、才能がこう描かせている。
無意識に描いて、こんなかっこよく仕上がるなら、確かに才能ですよねー。かっこつけないかっこよさ! いや、多くの人が求めている領域ですね。
小さな顔と驚くほど大量の髪の毛、構図、絶妙なバランスもセンスと才能のなせる術だね。
いやー、ベタ褒めですね。
顔は半分手抜きというか、彼の中で顔と言ったらこう描くという規則にのっとって描かれている。ほっぺたの三角模様とか、鼻の穴の大きさとか目の形とか、モデルさんの特徴に関係なく描いている。お面をかぶっているみたいだ。
でも私、顔なんてなくても、いや、むしろない方がかっこいいんじゃないかと思います。としきさんも、もしかしてそう思って適当に描いているのでは! って、ちょっと天才のやり方に寄り添ってみたりして…(笑)
ははは。それにしても、彼の描く女性はいつも独特の雰囲気を持っている。何だかかったるい、アンニュイな雰囲気。この女性なんか「やってらんない、何やってんだか…」って呟いているみたいだ。なぜなんだろうね。
2017.12.29(fri)




よこはちは、名もない女性編集者。障がいを越えて表現を楽しむアートスペース「フェースofワンダー」の仲間たちの作品に惹かれ、主宰者のまねきねこさんに「くすくすミュージアム」で絵を紹介しないかと持ちかけました。
まねきねこさんは、「フェースofワンダー」で個性に合わせた素材、道具、画法開発を大切に考えた活動を展開するかたわら、「指導者養成講座」にも取り組んでいる人物です。 主著に『アートびっくり箱』(学研)、『続アートびっくり箱』(学研)、『ねっこのルーティ』(パロル舎)、『ねっこのルーティ(電子書籍版)』(BowBooks)など。









水性色鉛筆/アクリル絵の具/380×270mm




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