第364回「夏の夜」

足、めちゃくちゃ長いですよね。

としきさんの久しぶりのカエルの絵! 前回がとしきママの絵だったから、母子共演だね。
重そうなカエルが、ビヨヨヨーンとゆっくりジャンプ! こんなカエルが頭の上を飛び越えていったら、結構コワそう。でも、ちょっと夢があっていいなぁ。
このカエル、体のマス目模様のせいか、恐竜のような重い感じがするよね。背中のゴツゴツ波打っているところはワニみたい。
マス目だから重そうに見えるんですね。あと、カエルの手とか足の、やる気のないダラーッとした感じも重そう。「だるおも〜」って感じ(笑)私の朝もこんな感じです。
そう、手は不自然だよね。右手は体に合わせて、まぁ自然な大きさなんだけれど、体の下にある左手はずいぶん太くて大きい。これでひっぱたかれたら、痛そうな気がする。すらりと伸びた足は、とってつけたような描き方(笑)
足、めちゃくちゃ長いですよね。
要は、体全体はバラバラに描かれているんだけれど、そのバラバラ感がかえって一匹のカエルとしての存在感、生命感を強く押し出している気がする。
カエルの下にいる、小さい鳥は何者ですか? かわいい。
これは、アカショウビン。さらさらと一筆書きで描いている。パッと見て、描けばいいんでしょ? って感じで描いてお終い(笑)。カエルのようにきちんと描いたり、アカショウビンのように適当に描いたり、最近は結構波があるなぁ。
私、このアカショウビンっていう鳥が適当に描かれてるって気づきませんでしたよ。上手だなぁと思っておりました。周りの葉っぱもすごく素敵。
そう、適当でも上手いんだよねぇ。色のつけ方も上手。この絵は最初、カエル一匹だけだったのが、余白が大きすぎるということで、いろいろな草木を描き込んだ。すると、鳥もいた方がいいかもということでアカショウビンが登場。
それ、としきさんが考えてるんですか?
いや、いろいろな人が彼の後ろにいて、ああだこうだと注文するんだ。結構外野がうるさいんだけど、そんな風に見守られてしあわせな画伯だなぁと思うね。
2016.08.05(fri)




よこはちは、名もない女性編集者。障がいを越えて表現を楽しむアートスペース「フェースofワンダー」の仲間たちの作品に惹かれ、主宰者のまねきねこさんに「くすくすミュージアム」で絵を紹介しないかと持ちかけました。
まねきねこさんは、「フェースofワンダー」で個性に合わせた素材、道具、画法開発を大切に考えた活動を展開するかたわら、「指導者養成講座」にも取り組んでいる人物です。 主著に『アートびっくり箱』(学研)、『続アートびっくり箱』(学研)、『ねっこのルーティ』(パロル舎)、『ねっこのルーティ(電子書籍版)』(BowBooks)など。









アクリル絵の具/色鉛筆/380×540mm




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