第328回「赤いネコ」

意思のようなものが伝わってきますね。

わぁ、いい! コラージュですね。色のチョイスがいい! 耳のところのミルクティーみたいな色も、ネコっぽくて好きです。
これネコの写真を見て描いていて、ネコの額とか頬、体は、色調を意識してチラシを使い分けていた。机の上にチラシを色別に分けて、丁寧に、工作でもやるように楽しんでた。
あれ? これよく見ると、体に貼ってあるチラシの文字、青く塗りつぶしてますね。白い部分が残るのを避けたんでしょうかね? 芸が細かい!
さらによく見ると、チラシとチラシの間には細筆で色を塗り込んでいる。
本当!
彼、くすくすミュージアムには初めての登場かな? 高等部を卒業して働き始めてもう何年になるんだろう。体を動かすのが好きで、湘南国際マラソンなんかにも参加して走ってる。穏やかで周りにも気配りできる人。
だからこの絵にも、細やかな心配りが行き届いているのかな。
ネコのひげなんかは、下絵の描線を残そうとしている。これはなかなか難しいよ。目も絵の具で塗った黄色を残している。背景のコーラルレッド(サンゴ色)もいいね。
このネコ、何ていうんだろう……すごく完成度が高いというか……意思のようなものが伝わってきますね。
うん。貼り絵だけの表現ではない、独特な存在感があるね。この技法を寛之さんがものにしたら、独特の表現が生まれるかもしれないなぁ。それにしても、初めてのコラージュで、これだけやれるというのは驚くね!
はじめて!!?
2015.11.20(fri)




よこはちは、名もない女性編集者。障がいを越えて表現を楽しむアートスペース「フェースofワンダー」の仲間たちの作品に惹かれ、主宰者のまねきねこさんに「くすくすミュージアム」で絵を紹介しないかと持ちかけました。
まねきねこさんは、「フェースofワンダー」で個性に合わせた素材、道具、画法開発を大切に考えた活動を展開するかたわら、「指導者養成講座」にも取り組んでいる人物です。 主著に『アートびっくり箱』(学研)、『続アートびっくり箱』(学研)、『ねっこのルーティ』(パロル舎)、『ねっこのルーティ(電子書籍版)』(BowBooks)など。




チラシ/水性絵の具/400×310mm




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