第23回「草色のいぬ」
見るものの気持ちを受け取って、
表情がかわる。
しっぽが丸まってくっついているところは、コーヒーカップの取っ手みたいだね。りおさんは、動物とか果物とかが描かれてる、絵カードを見ながら描いているんだよ。最初にローラーで下地を塗って、ボールペンで形を描いて、色鉛筆で犬を塗って。この犬は、りおさんの傑作の一つだね。 | |
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本物の犬も、止まってこっちを見てるときがあるよね。静止することで、動きを感じさせる。ガブリエルバンサンという人が、「アンジュール」という犬の物語を描いているんだけど、ぼくはその本を思い出すよ。言葉がなくて、コンテだけで描かれていて、犬が車から捨てられるところから始まるんだけど…。 | |
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この絵は、見るものの気持ちを受け取って、さみしかったり、優しかったり、慰めてくれたり、いろんな気持ちにしてくれるよね。相手の心に合わせて、気持ちを伝えてくれる。 | |
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こういう絵って、描こうと思っても描けない。今のりおさんだから描ける、とても大切な宝石だね。 |